コンタクトレンズ症例healthcare
コンタクトレンズは正しく使用することが大切!
コンタクトレンズは大変便利ですが、使用方法や管理の方法を間違えると、さまざまな合併症を引き起こす恐れもある繊細な医療機器です。そのため合併症に関する正しい知識を持っておくことが大切です。
コンタクトレンズを使用していて、目に次のような異常を感じたら、すぐに眼科医に相談してください。
こんな症状はありませんか?
- 目がゴロゴロする。
- レンズがすぐに外れる。ずれやすい。
- 装用した時に痛みを感じる。
- 装用をはじめてから目が乾きやすくなった。
- 目が疲れやすくなった。
- 視界がぼやける。にじんで見える。
コンタクトレンズの正しいケアの方法について
ハード、ソフトを問わず、コンタクトレンズを取り扱う際には、次のような点に注意してください。
レンズを取り扱う前の準備
- 爪は短く切り、丸く滑らかに整える。
- 落としても見つけやすく、汚れがつきにくい清潔な場所で取り扱う。
- レンズに触れる前には、必ずせっけんで手を洗う。
ハードコンタクトレンズの場合
つけるとき
- せっけんで手をしっかりと洗う。
- レンズホルダーに収納したまま、流水ですすぐ。
- ケースの中にある保存液を捨てる。
- レンズを洗浄剤か洗浄保存液で軽くこすり洗いした後、流水でよくすすぐ。
- レンズを装用する。
- レンズケースを再び洗浄し、フタは開けた状態で風通しの良い場所で乾燥させる。
外すとき
- 石鹸で手を洗う。
- レンズを外す。
- ケースに新しい保存液を入れて外したレンズを保存。
ハードコンタクトケースの交換時期(目安)
ケースは定期的に中を綿棒などでこすり洗いをし、約半年を目安に交換してください。
コンタクトレンズは毎日洗浄しても、落としきれなかった汚れが表面に蓄積して固着します。そのため1週間~1カ月に1度は、タンパク除去剤を使って洗浄してください。
ソフトコンタクトレンズの場合
つけるとき
- せっけんで手をしっかりと洗う。
- コンタクトレンズを取り出し、ケースの中の保存液を捨てる。
- レンズを洗浄剤か洗浄保存液で軽くこすり洗う。
※絶対に水道水は使用しないでください。 - コンタクトレンズの裏表を確認してから装用(レンズを人差し指にのせた時にきれいなお椀型をしていれば正常)
外すとき
- せっけんで手を洗う。
- コンタクトケースを保存液で満たす。
- 中指で下まぶたを軽く引き下げ、親指と人差し指の腹でレンズをつまんで外す。
- レンズを手のひらに乗せ、指の腹でレンズに傷がつかないように両面各20~30回程度、洗浄液などで軽くこすり洗いをする。
- すすぎ液でしっかりとすすいでケースに入れて保存する。※消毒時間は、メーカーによって異なります。
ソフトケースの交換時期(目安)
ソフトケースの交換は1カ月前後で、洗浄液を使い切るタイミングが目安です。1dayタイプのソフトコンタクトレンズは、使用後はそのまま廃棄します。
トラブル防止には定期検診を!
コンタクトレンズは基本的には清潔を保ち、毎日きちんとケアをしていれば安全に使用できます。
青森スリー眼科では、
3カ月に1度の定期検診をおすすめしております。
定期検診を受けることで、万が一、目にトラブルが起きている時には早期発見につながるだけではなく、トラブルを事前に予防することにもつながります。さらに視力を中心に、目の状態は日々変動しています。定期検診を受けていれば、レンズ度数が変わった時にもすぐに適正な度数のレンズの処方を受けることができるので、ぜひ、定期的な検診を心掛けてください。
眼のトラブル例
- 点状表層角膜炎
- 角膜の表面に点状の小さなキズができることで、角膜が炎症を起こしてしまう疾患です。目がゴロゴロする、明るい場所に行くとまぶしく感じるといった自覚症状があり、症状が悪化すると視力の低下につながる場合もあります。
- 巨大乳頭結膜炎
- 上まぶたの裏側(結膜)に、「乳頭」と呼ばれる大きなブツブツができるアレルギー性の結膜炎で、コンタクトレンズ使用による汚れの付着やまぶた裏への刺激も原因のひとつです。目がゴロゴロする、かゆみ、目やにが出る、コンタクトレンズがずれやすくなるといった症状があり、一時的にコンタクトレンズの使用を中止する場合があります。
- 角膜潰瘍
- 角膜に付いた傷が悪化し、角膜の表面の上皮の奥にある「実質角膜」の組織が表面から欠損していく疾患で、症状が進行して「角膜穿孔」を起こすと失明する危険もあります。
- 原因は角膜に傷がつく外傷性、感染症、まぶたの縁などに存在しているブドウ球菌にアレルギー反応を示すことで起きる非感染性があり、主な自覚症状には目の激しい痛み、大量に涙が出る、白目の充血などがあります。
- 円錐角膜
- 角膜が円錐状に突出してしまう疾患です。原因は明確ではありませんが、コンタクトレンズの長期使用も一因だとの指摘もあります。
- 感染性角膜炎
- 角膜に細菌やカビなどが感染して炎症を起こす疾患で、片目のみ発症することが多いのが特長です。主な症状には目の痛み、目がゴロゴロする、充血、涙が出やすくなる、まぶたが腫れるといったものがあります。感染性角膜炎には細菌感染が原因の「細菌性角膜炎」、カビ(真菌)が原因の「真菌性角膜炎」、微生物が原因の「アカントアメーバ角膜炎」などがあります。
- 角膜新生血管
- 角膜が酸素不足になり、角膜に酸素を運ぶために結膜の血管が角膜に侵入してしまう疾患です。目の充血や異物感がある場合もありますが、目立った自覚症状がないので気づきにくいのも特長です。
- 治療のためにコンタクトレンズの使用時間を短くする、酸素透過性の高い素材の物に変更する、消毒とこすり洗いを徹底する場合があります。
- 角膜浸潤
- 角膜に炎症が生じ、白血球が集まっている状態をいいます。主な症状は目がゴロゴロする、痛みがある、充血などで、原因としてはレンズの長時間装用、装着したまま寝てしまう、連続装用など挙げられます。通常、治癒するまではコンタクトレンズの装用を中止します。
- 水泡性角膜症
- コンタクトレンズの長期装用などを原因として、角膜の一番内側にある角膜内皮細胞がダメージを受けて、角膜に多量の水がたまってしまう疾患です。角膜がスリ硝子状に濁ることで視力低下、眼の痛み、流涙、目がゴロゴロする、まぶしい、充血といった症状が出ます。